ウジ虫さんの有用性

 

皆さんウジ虫が湧くのを生で見た事は有りますか?私は部屋にゴミを溜めるのが趣味なのでウジに遭遇してもおかしくないですが、幸運な事にまだウジ虫さんには出逢っていません。

 

ウジ虫は「湧く」と表現します。動物の死骸にあっという間にウジが来る様を見た昔の人々は死骸からウジが生まれたと思っていたようです。つまり何も無い所から瞬間的に自然発生する様子から「ウジが湧く」と表現したそうです。

 

現代の常識からすれば んな訳ねーわ!と思いますが、かつてのヨーロッパでは生物の自然発生説は一般的に信じられていたそうで

1668年にイタリアのフランチェスコ・レディという方が発表した実験が自然発生説を否定する走りになったようですってWikiに書いてあった

(結構最近に感じちゃう)

 

実際は腐った瞬間にハエが超音速で卵をブリブリ産みつけウジ虫がモリモリする訳ですが、非常に嫌悪感を覚えますよね。それでも頑張って彼等の良い部分を見つけてきました。

 

英語でウジ虫をマゴット(Maggot)と言い、マゴットセラピー(Maggot therapy)なる物が有るそうです。ウジ虫療法ですね。

 

ご存知の通りウジ虫さんは腐って死んだ組織を食べます。この時ウジは肉を直接噛みちぎってる訳ではなく、タンパク質分解酵素等が含まれる分泌液で死んだ組織を溶かしながら食べています

(思ったんですが腐肉に群がるウジ虫をゼラチンで固めてマゴットゼリーを作ろうと思っても生のパイナップルみたいにゼラチンは固まらないんでしょうか...あとお肉は柔らかくなるんでしょうか...)

 

さらにこの分泌液には塩基性であるアンモニア化合物や炭酸カルシウムなども含まれており、これらは様々な病原菌を殺菌する抗菌物質であります(分泌する理由としては壊死物質の栄養素を細菌に取られる事を防ぐ為らしい)

 

そう!マゴットセラピーとはウジ虫が選択的に腐肉だけを可食し尚且つ抗菌してくれる為、麻酔無しで壊死した組織の除去が可能という治療法なのです!更に禁忌症例や重篤な副作用は無く、その他の治療とも併用可能!!(勿論使用するウジは無菌状態で繁殖させたマゴットセラピー専用のウジだよ!)

 

どうですか!ウジ虫さんにも良い所はあるんです!これでウジ虫に対する皆さんの見方も変化したのでは無いでしょうか!

 

ちなみにデメリットは此方になります

 

・患者によっては蛆に対する強い忌避感のため使用できない

・治療中にアンモニア臭などの腐敗臭を発生することがある

・患部を蛆が這いまわるために患者によっては違和感や痛みをともなう場合がある

・血流障害をともなう皮膚潰瘍に対する効果は低い

 

ダメじゃん